友人のめりぴょんが山下達郎さんのファンなので、めりぴょんに誘われてライブを見に行って来た。
めりぴょんに誘われてなかったらなかなか行こうと思っていないし、人生経験になると思ったので。
私の普段の趣味は女性声優と、元うたのおねえさんのオタクである関係で、童謡。
山下達郎さんのことはめりぴょんから聞く話が全てだ。
胸を張って「知っている!」と言える曲は『クリスマス・イブ』とめりぴょんが一番好きな『シャンプー』。
もし会場で隣の人に「なんの曲が好きなの?」とか聞かれたら「シャンプーです!」って答えようと思い、口を「シャ」の形にして着席した。(特に話しかけられなかった)
私は『シャンプー』のことを『クリスマス・イブ』くらい有名な曲だと思っているが、全然そんなことはないらしい。
会場はNHKホール渋谷で、私はうたのおねえさんのオタクだったのでめちゃくちゃ馴染みのある会場だ。
NHKホールで童謡以外を聴くの、初めてだな。緊張して来た。
私が見て来たNHKホールはベビーカーと未就学児でごった返しており、開演5分前に慌てて人が入場しようとして入り口がごった返す、"混沌"だったので、親世代や老夫婦が中心に穏やかに入場していくNHKホールを初めて見た。
山下達郎のライブはもうこの時点で始まっているんだ。
入場
入場すると通路にフラスタが飾られているが、著名人と関係者のお花のみで、有志のオタクのバカでっかフラスタとかは受け付けてないらしい。
会場内にスタッフが足りすぎており、CDジャケットのパネルの撮影列(短い)(客の自主的な列)を誘導するスタッフとかもいた。
おかあさんといっしょだったら「壁に隠れているあーぷんを探してみよう!」とかいって人形劇のキャラクターが貼りつけられている壁も、山下達郎のライブともなるとかなり落ち着いて物販へ誘導している。
メインの客層は親世代以上だな、という感じだが若者も思ったよりいる。親子で来ているんだな、という人や音楽が見るからに好きそうな人が多く、
私たちはばり浮いてたけど。
あんまり集合写真で👍❕とかしなさそうな人がいっぱい居た。
NHKホール、正しい対象年齢のライブで来たことないな。
ライブの感想
今回は3階席。3階初めて入った。おかあさんといっしょは席種を選択でき、とにかく近くで見たかったため。(おかあさんといっしょで?!)
開演するとたつろーさんが、「色々メディアをお騒がせしておりますが、ライブには一切関係ないですから!」と言ってから曲に行っていた。
アツすぎー!!!
私も作品の良さは時事問題によって評価が上下するものではないと思うし、切り離して考えたいタイプなのでこの先のライブがさらに楽しみになった。
そして「3階席の1番後ろのあなたにまで届くように歌います!」と話していたが、歌声がありえないほど伸びてて、「有言実行してる・・・」と圧倒された。
一番後ろではないものの3階後方だったので、私がこの迫力で聴いているってことは最後列の人にも届いているに違いない。
そして、流石の私も知ってる『ドーナツ・ソング』が歌われたのも嬉しかった。
何より私は去年、NHKホールでおかあさんといっしょを見に来た時『あげあげドーナツ』というドーナツの歌で発狂しているので、「やばい!!山下達郎もNHKホールでドーナツの曲歌ってる!!」とめちゃくちゃテンション上がった。
あとからめりぴょんに聞いたが、「今年菅田将暉がミスドのCMでドーナツ・ソングをカバーしているからセトリ入りしている」というガチの大人の事情を知った。
ドーナツ・ソング、可愛くて歌詞も面白くて良いよね。
童謡はこういった曲の面白さをさらにデフォルメして作られるので、山下達郎楽曲は童謡オタクをも刺していく。
ステージのセットも、高速道路から見える街並み、高速道路、トンネルなどが配置されていてかわいいな〜と思っていたら、終盤は曲に合わせて高速道路や建物がレインボーに光り、「ゲーミング高速道路だ・・・」と思うなどした。ちなみにたつろーさんの立ち位置には丸い道路が貼られている。
ピアノの前にキーボードが置かれており、「あのキーボードは何に使うのかな、ピアノの人が移動して来てあっちを弾く曲があるのかな」と思っていたら、それはたつろーさん用のキーボードで、ギターを置いたと思ったらキーボードを弾き出すたつろーさんにひっくり返ってしまった。
そしてMCでは何度も「今年70歳になります。古希!」と言っているのに、全然座らねえ。
立ってギター弾いて歌う。
さっき「古希だから衣装は紫🎶」ってちょけてたじゃん。
舞台上からバンドメンバーが捌ける時も、山下達郎は捌けない。
そういった場面はアカペラで歌うための演出なのである。
「たつろーさんは自分のコンサートで休まないんだ・・・」と衝撃的だった。
たつろーさんにとっては70ってただの記号に過ぎないのかもしれない。私も明日から年齢聞かれたらその時の気分で好きな数字答えようかな。
ライブ全体を通して感じたのは、たつろーさんは自身のバンドメンバーが多分めっちゃ大好きで、とにかくバンドメンバーの演奏を聞いて欲しいんだと思う。
節々で「うちのバンドメンバー、楽器めっちゃうまいんだよ!聞いて!!」と伝わってくる箇所があり、1曲1曲を知らないのに楽しく3時間観ることができた。
終盤とつぜん人々が立ち上がり、私は無知だったが、すぐに「この曲は山下達郎におけるfancy baby doll*1なんだ!」とわかった。世界一テクいよ!
良すぎる観客
私の周辺で1番に立ち上がったのは老夫婦で、おじいちゃんおばあちゃんがめちゃくちゃ良い笑顔で踊りながら、手を頭より高く上げ手拍子をして曲を浴びててめっちゃサイコーの気分になった。
当たって良かったねー!!
きっとNHKホールもあなたたちが来て嬉しいって思ってるよ。
そして前の通路の女性。
この女性を表す日本語がまだ存在していないと思う。年齢で言うと、おばあさんではない。おばさんというには、ダンスがキレすぎてるし体幹強すぎる。
この人を表現する日本語がまだない。
その爆裂ダンシング女性はステージを見ていると視界の端にキレキレのダンスが写り、「めっちゃ嬉しいんだな!」と伝わって来て、一度ダンスを見てしまったらもうその女性から目が離せなくなった。
キレッキレのステップを踏みながらライブを観ているが、ある時突然女性の動きが止まる。
どうしたんだ・・・?なんかあったか!?
すると爆裂ダンシング女性(静止)がおもむろにメガネを頭に掛け、首に掛けているスマホっぽいものを構えた。
あれスマホじゃない、双眼鏡だー!!!!
たつろーさんのギターソロの時、彼女は動きを止めて双眼鏡でステージの山下達郎を真剣に見届けているのだ。
ソロが終わったら再びダンスに戻る。
彼女は通路で踊り狂っているので、「本当は怒られてしまうのかな・・・彼女のダンスを止めないでくれ・・・」と祈りながら見ていたら、祈りが通じて、曲が終わった後にスタッフさんが来て席に戻るよう促されていた。
あまりにも楽しそうだったし、水を差すのは気が引けるよね、わかるよ、スタッフ。
チケットもダンシング女性に当たって嬉しい嬉しいって言ってるに違いない。
そんなこんなで終演後は満たされた気持ちになっており、良いものを観たな〜と思った。
あの老夫婦やダンシング姐さんがまた山下達郎に会えるよう、健康でいてほしい。
終演後のロビーに出てくる人がみんなにやにやしていて、「みんな楽しかったんだな〜」とめちゃくちゃ温かい気持ちになった。
山下達郎のライブの終演後はみんなこれだ
みんなめいどっちになっている。
クリスマス・イブ
クリスマス・イブを歌う前、かなりクリスマス・イブの足音が聞こえていて、「来るぞ・・・来るぞ・・・」と思ったし、やっぱりクリスマス・イブがくると「おおお・・・」って思う。
めりぴょんから「初めて来た人のためにたつろーさんは必ずクリスマス・イブは歌うようにしてる」と聞いていたが、実際感動する。「うわ、生で聞いてる!!」という興奮があった。
Roselia*2のライブでいつも「またFire Bird*3か〜」って思ってごめん。FireBirdは必要だわ。
ていうか山下達郎ファンの楽しそうに観る姿に心を打たれ、Roseliaのライブで常に地蔵で好きな声優の顔面を見ることに徹しているのが申し訳なくなった。
童謡でも『しあわせなら態度でしめそうよ』と歌われるように、楽しそうに観てるオタクとそうじゃないオタクだったら絶対前者の方が嬉しいと思う。
相羽さんごめんね・・・それでも顔を見るけどね。
めりぴょん、めっちゃ良い経験になったよ〜ありがとね〜